griffin avenue’s blog

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製造業への派遣労働を禁止する功罪。。。

民主党菅直人代表代行と社民党福島瑞穂党首は7日午前、衆院議員会館で会談し、労働者派遣法の見直しについて協議した。この中で福島氏は、同法を改正して製造業への派遣労働を禁止するよう求め、菅氏は「そういう可能性も十分ある」と述べた。 民主党は既に、健康保険や厚生年金の適用外となる2カ月以下の短期派遣を禁止する改正案を取りまとめている。ただ、製造業への派遣禁止については、企業への配慮から党内に慎重論があり、今後の調整が焦点だ。(了) 【時事通信社 JIJI ドットコム 2009/01/07-12:28】

振り返ってみると、日本の高度成長時代は、世界の工場としての役目を担っていましたから、当時は、国内にも、それに見合うだけの十分な労働市場が確保されていたことになります。

でもその後、時代は大きく移りまして、それまで発展途上国とされた中国やインドが力を付け始め、巨大な新興国として台頭し始めました。

彼らは安い労働力を武器に、それまでの日本に代わって、新たに、世界の工場として躍り出てきます。それまで一人勝ちしてきた日本の時代は、ここで幕を閉じたのです。(それを認めず、昔の夢に浸っていては、ムチャクチャな議論に向かってしまいます)

かくして、日本の企業も、生き残りを賭け、安い労働を求めて、海外に進出せざるを得なかった訳であります。その結果、起こるべくして、国内生産には生産の空洞化を来たす格好となり、そこに従事してきた労働市場は急激に縮小に向かうことになります。かくして日本は就職氷河期を迎えるわけです。

それを打開し、労働マーケットを新たに創造しようと考えると、海外に取られていた生産拠点を再び日本へ呼び戻す必要がありました。当然、国内の企業を活気付かせる為には、国内に安い労働力を確保する必要に迫られていた訳です。

小泉さんは、そこに「派遣の拡大」という形でメスを入れていった訳でありまして、その甲斐もあって、当時、就職難に喘いでいた人たちに、兎も角も、新たな労働市場を創出した功績は否めないと思います。その事はさらに国内の疲弊した企業を側面支援する形ともなりました。

今日、「派遣切り」が深刻な社会問題化になっているなかで、切られた方々への手当ては無論のことと考えますが、といって?単純に「派遣=悪」とする考え方は、すこぶる間違いです。

繰り返しますが、派遣法は国内製造業の空洞化で、もともと無くなってしまった「労働マーケット」を、再び掘り起こすために取られた?いわば「窮余の策」であった訳でして、そのことは新興国との競争で疲弊し切った国内企業を側面から支援する効果も兼ねていました。この事実は忘れるべきでないと思います。

その甲斐もあり、企業の業績回復は、やがて株価の向上となって現れ、それぞれの金融機関の保有する株の資産価値を高め、併せて政府の行った公的資金の注入効果と共に、あれほど危機に瀕していた金融危機を、どうにか脱することに成功しました。

その事は、やがて国の税収確保にも寄与する形となって現れてきます。派遣法がなければ、失業率は、今よりも、さらに厳しい事態にあった可能性も考えられ、今になって全て「悪玉扱い」をするのは、私は間違っていると思います。

そう考えると、菅さんや福島さんの言われるように、単純に製造業への派遣労働を禁止するという考え方は、今後の失業率改善を進める上で、大きな障害となることが予想されますし、極めて難問を抱え込む格好になると思います。それよりも?引き続き製造業への派遣労働を認めつつ、現状の抱える問題点の是正に努めてゆくのが?私は本筋だと思います。。