griffin avenue’s blog

Boys be ambitious! Girls be unbalance? (^-^) 鳴かぬなら踊って見せよ。ホトトギス!

安易な医療裁判は好ましくない。。。

横浜市磯子区の市立脳血管医療センターで03年7月、脳内の血腫を取り除く内視鏡手術を受けた女性(54)が重い意識障害を負った医療事故で、横浜地検は1日にも、業務上過失傷害容疑で書類送検されていた執刀医の脳神経外科副医長ら計4医師を不起訴処分にする方針を固めた。
 神奈川県警の調べでは、副医長らは03年7月28日、内視鏡手術の経験がないのに、センター内の倫理委員会に意見を聞かず、経験者の事前指導や立ち会いなども受けずに手術を実施した。
 県警は、十分な準備をせずに行った手術で女性の脳を傷つけた疑いがあるとして、今年2月23日、4医師を横浜地検書類送検した。女性の家族によると、女性は現在も寝たきり状態で入院中という。
毎日新聞 2007年11月1日 東京朝刊】

寝たきりになってしまった記事の女性は、大変お気の毒であったと思うが、といって、元より、人は人であって神ではない。この世にミスを起こさない人間など何処にもいないのである。残念ながら医師もまたミスを起こす。そして患者は掛かるべき病院と医師を選ぶことが出来る。まずはその権利を有効に活かすべきである。その上で全てを委ねるべきと考える。。。

今回は内視鏡手術の経験がないにも拘わらず、実施したことを、もっとも問題視されているが、どんなベテラン医師であっても最初の一歩がある。一足飛びにベテランにはなれない。。。

とは言え記事にある『経験者の事前指導や立ち会いなども受けずに手術を実施した』とされる部分には、確かに配慮を欠いていたと指摘されても仕方がない。だがそれを以って直ちに「医療ミス」とは言い切れない・・・要はそういう事だと思う。。。

私的には、被害を被った患者側の気持ちも十分理解できるが、何事も完璧が「当前」のように考えるのは医師に対して失礼である。その理由は「医療」とはそんな甘いものではないと考えるからである。。。

医療を完璧なまでに追い過ぎれば?何れ「行き詰り」が出て来るに違いない。そうなれば、これまで「意欲」に満ちていた優秀な医師たちさえも、訴訟の「リスク」を冒してまで、難しい治療に取り組もうとする意識が萎えてしまうものと考えられる。事実、脳外科や産婦人科医師たちには、リスクの大きさを嫌って減少傾向にあるといわれる。。。

ちなみに一般企業においても、部下を育てる事は、企業の永続性という観点からも命題である。その為に、兎角「若い頃の向こう傷は問わない」として、新人を敢えて萎縮させないように導く考え方がある。何事も「ローマは一日にしてならず」の例え通り、どのような仕事でも、技能の向上に「早道」はないと言われる。失敗を繰り返しながら、優秀なる技能を身に付けて行くのである。それがなかったら?医療技術は、今でも「まじない」の域を出ていないと考えられる。。。

患者も医師に「ミス」を追求するだけでは?あまりに「能」がなさ過ぎると私は考える。しかし「医療ミス」は、患者の生命のみならず、その後の人生をも、大きく左右する事にもなり兼ねない。そこが悩ましいところだが、しかし医師も全力を尽くした以上は、例え、どんな結果であろうとも?医師に対し、感情に任せての一方的な吊るし上げはなかろうと思う。。。

私的には、むしろ患者や、その家族たちの「怒り」や「悲しみ」が、少しでも和らげるような?十分な保険制度が求められているように思われる。本来なら命の重みを「金銭」で購うのも失礼な話だが、已む得ない事もある。。。

クドくなるが、医師とて間違いなく一個の人間である。それは絶対に押さえておくべきだと思う。「キレイ事」だけでは?医師の意欲が萎えるのを抑えることは難しい。その意味で、今回、裁判所の下した「ジャッジ」は、極めて適切且つ良識ある判断と感じられた。。。(゚.゚)ノ