griffin avenue’s blog

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正念場を迎える「赤福」。。。

老舗和菓子メーカー「赤福」(三重県伊勢市)が店頭で売れ残った主力商品「赤福餅(もち)」の製造日を替えて再出荷していた問題で、三重県伊勢保健所は19日、食品衛生法違反があったとして、同社を同日から無期限の営業禁止処分とした。 また、あんと餅を分けてそれぞれ再利用した実態などを調べるため、農林水産省は同日、日本農林規格(JAS)法に基づき、改めて同社本社などの立ち入り検査に入った。 同日午前8時半、同保健所で命令書を手渡された浜田典保社長は「大変迷惑をかけて申し訳ない。今後も指導をお願いします」と陳謝した。 一方、農水省の検査対象は、同社本社と、本社、名古屋、大阪の3工場。検査は同日午前10時から行われ、偽装表示を始めた時期や数量などを幹部らに確認している。農水省が本社に立ち入るのは今回で4回目となる。【2007年10月19日11時19分 読売新聞】

今回の「赤福」事件で、「あんこ」を、常用する「和菓子」業界や、或いは業務用の「製餡」業界関係者は、一様に「びっくり」したのではなかろうか?正直なところ、昔なら??と溜息混じりに感じた「和菓子業界」関係者の方も多いと思われる。。。

日本では、やれお彼岸だ。やれお盆だと、「あんこ」は昔から仏事には欠かせない身近な甘味として珍重されてきた。それ故に、以前なら何処の家庭でも、餡は普通に作られていた食品である。しかも現代のような低甘味ではなかった為、昔から日持ちのする。或いは耐久性のある食品として広く認識され利用されてきた。。。

それこそ?餡を作った事のある年配の主婦などは、特に良く分かってると思うが、昔から餡などは、作ってから時間の経つと?どうしても表面に「離水」が起き易いものだ。当然、その部分の糖度が下がるから、そこに落下菌などが着床し、結果として「カビ」が生えてしまうのである。だが昔はというと?そんなカビを「ヘラ」などで、サッと取っては、何処の家でも普通に使用していたものである。。。

勿論、例え、そうしても?残った餡に、些かも痛みがない事は言うまでもない。そうした家庭における「製餡」感覚が、昔からの熟練「和菓子の職人」の間でも、多分、共通した認識にあったと考えても不思議ではない。。。

昔は、そもそも、食物を大切にする習慣が、今よりも格段に強かった時代である。もしも食物が床に落ちようものなら?大切に拾い、それを丁寧に洗って食べるのが普通だった時代のことである。振り返れば?今のようなJAS法や食品衛生法という感覚も、当時の職人たちは、餡の「耐久性」を過信するが故に、逆に意識が薄かったのかもしれない。。。

それは兎も角も、今は今。昔は昔である。時代が全く違うのだから仕方がない。ここは「郷に入れば郷に従う」という世の習いに従い。どんなに優れた和菓子職人たちであろうと?ここは完全に意識を切り替えて再出発するしかない。。。

とは言え。赤福の優秀な製餡職人たちは、全国でも屈指の職人たちである。関連業界からすれば?それこそ「喉から手が出るほど欲しい」人材だろう。この問題が長引けば?間違いなく「ヘッドハンティング」が全国から沸き起こるに違いない。「赤福」は職人争奪の草刈場と化する事が考えられる。。。

そうなったら?例え再開しても?伝統の「あの味」はお仕舞いになる。それ故に、「赤福」に取っては、職人の拡散を如何に抑えられるか?正に今が正念場である。。。